2019年5月11日土曜日

Denon DL-103

Denon DL-103


レコードプレーヤーのカートリッジ(針)は長らくDenonのDL-103を使っている。

大昔からある古典的なMCカートリッジで、元々放送局用のリファレンス・カートリッジであったのは周知の通り。なので近年のハイエンドカートリッジ愛用者からすると「今更そんなもの…」と思うような人も多いと思う。





だけれど、音のバランスが絶妙で自分好みなのだ。

具体的に言うと、音の質量感。

超・高解像度系のMCカートリッジはシャープなスタイラス・チップ(針先)を用いて軽めの針圧で溝を細かくトレースし、表現力や細かいディテールを重視する傾向。その代わり、音の分厚さやパンチにはやや不利とされる。なのでクラシックよりもポップ・ミュージック、たまにジャズを聴くような自分だとやや線が細く感じてしまうことがある。

それに対してDL-103はMC特有の高域のキレと、低域の分厚さ、ボリューム感が丁度良い。標準の針圧がMCにしては高めというのも関係していると思う。これでポップスを聴くとベースやドラムのキックがよく前に出てくる。(低域の量が多いというのとは別)このバランスが自分には心地よい。

価格も新品2万円台だし、中古ならもっと安い。現行品の生産があるのでまだまだ予備も買える。何ならDenonで針先の修理もまだやってくれる。コストパフォーマンスは非常に高い。

もちろん、誰にとっても最高のカートリッジであるという訳ではない。30万40万クラスのMCカートリッジも薦められるし良いものがたくさんあるのは知っているけれど、結局これ帰ってきてしまう感じ。

最初は103、という定説もあながち間違っていないように思う。

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