2019年6月30日日曜日

FX502J-Sを改造してみる

格安中華製アンプ、FX502J-Sをあれから色々といじってみました。



改造しないまま使うと言ったな。あれは嘘だ。


といっても、オペアンプの交換や、カップリングコンデンサー、電源コンデンサーの交換については既にやっている人は山程いると思う。実際自分も既にそれはやっていて、わずかに音質は改善したものの、以下の点については改善しなかった。

・10kHz以上のギラつくような高域
・ドロっとした質量はあるもののまとまりのない低域

どちらも自作アンプや市販のアンプと比べると差は明らかで、どちらも非常に耳が疲れる原因になっていた。安物D級アンプは明瞭さは十分なのにこういった要素があるので長い時間のリスニングとなるとキツイものがあった。


そこで調べてみると、出力LCRフィルターに原因のひとつがある模様。


FX-AUDIOの格安D級アンプを聴く(たかじんさんのブログ)


この記事の通り、出力のLCRフィルター設計は4Ω用になっている。
しかし自分の使っているスピーカーユニットのインピーダンスは8Ωだ。




つまり、4Ωより軽い負荷である6Ωや8Ωのスピーカーでは特性はハイ上がりになる。シミュレーションしてみると、このアンプを8Ωでドライブすると10kHz以上のピークでブーストしているような特性になっており、聴覚上のキツい帯域と一致していた。




問題のLCフィルターを改善するには、並列に入っているコンデンサの値を変える必要がある。標準だと1uFがパラで2個入っているから2uF。そこから8Ωに最適な値をシミュレーションしてみると、0.1uでピークが消えてなだらかに高域が下がることが分かった。8Ω用に合わせてこれを変えるのは必須のようだ。

更にこのフィルターのコンデンサは見る限り面実装のチップコンデンサが使われているが、フィルムコンデンサではなく積層セラミックコンデンサ。これも高域が耳につく要因のひとつだと感じていたので、出力に並列に入っているコンデンサはすべて交換する必要がありそうだ…。


出力部分。赤い輪っかはインダクタだ。


問題の部分はここ。
スピーカー出力に伸びているラインに並列に入っているコンデンサや抵抗が確認できる。全部で4つの出力があるように見えるが実はこのFX-502J-Sに搭載されているデジタルIC、TPA3250は標準がBTL駆動なのだ。+出力とGNDではなくHOTとCOLDでバランス出力になっているのでステレオで合計4つの出力がある。


チップコンデンサをすべて外した状態


面実装部品なので、ハンダを軽く盛って、そのハンダごと横にずらすようにすると簡単に外すことができる。リード部品の1uフィルムコンデンサはスルーホールのハンダを吸ってから外そう。


WIMA MKS2に換装

代わりにWIMA MKS2の0.1uを付ける。定番のフィルムコンデンサ。
理論上は、これで高域のピークは無くなり、なだらかになるはずだ。


パターンはよく見ましょう



ついでにzobelフィルター部分を改造する。デフォルトでは3.3Ω/3300pが付いていた。しかしこれも4Ωに合わせた値になっている。これを8Ω仕様に合わせて10Ω/0.047uに変更してみた。リード部品は表からは付けることができないので裏側のスルーホールを使って実装していく。抵抗もコンデンサも手持ちの適当なもの。


さて、やれることは全てやり、これで高域のピークは消えるはずだが…??


倍音豊富なリファレンスで試聴。


…!


高域の不自然なキツさがかなり軽減し、とても聴きやすくなった!!

シミュレーション通りの特性になったようです。今までは疲れてしまうようなハイハットや、ハイファイ目に収録されたヴォーカルのシビランスもまったく気にならなくなった。zobelの部品も交換した恩恵なのか? なぜか低域の締まりもわずかながらに良くなったような…??

なんというか、普通に良い音になってしまった。

8Ωスピーカーを使っていて、この手のアンプの高域が疲れる人は是非お試しあれ。

オペアンプやコンデンサーの交換よりも効果があります。

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