2021年4月24日土曜日

CalineのPure Sky Overdriveを買った件

少し前ですが世界で一番安いトランスペアレント系オーバードライブことCalineのPure Sky Overdriveを個人輸入してみました。


スカイブルー筐体がポップ

カワイイやつですね。

日本だと輸入業者(無在庫販売なので横流し)が¥4,500くらいでECサイトで販売されていますが、直輸入だと送料込み約¥3,000で購入できました。飲み代より安いですね。

このCalineというのは近年猛威を奮っている格安系中華ペダルメーカーの一角なんですが、昔でいうベリンガー製ペダルようなプラ筐体のチャチなものではなく、しっかりとしたアルミダイキャスト筐体で外見は非常に綺麗な仕上げです。2,3万円台の製品と差がないと思います。


ちなみにそもそもトランスペアレント系ODってなんぞや?という話なんですが、ギタリストではない自分は正直よく分かっていませんでした。(よく分かってないのに買ったのか…)



世間におけるトランスペアレント系とは、オーバードライブでもいわゆる原音重視系のものを指す総称らしく、始祖にあたるのはMarshallが販売していたBlues Breakerで、その後PAUL COCHRANEのTimmy Overdriveや今強い支持を得ているVEMURAMのJan Rayなどが代表格です。EQDのWestWoodなんかもそうですね。

要はローゲインでも使えるブースター的な要素が強い歪みペダルということですね。

それぞれ微妙なキャラクターの違いはあるものの、回路図を見るとすべて2回路入りオペアンプとダイオードが2*2個の対称クリップを使っていることがわかります。クリッピングはダイオードを2個直列使っているので、順方向電圧は嵩上げされる=歪み始めまでマージンがあります。クリーンからしっかり歪むまでの幅が広いということですね。


このトランスペアレント系という区分はおそらく世間ではここ10年くらいでついた名称だと思います。

ブースター系でいえばIbanezのTS-808なんかも一時期は「マイルドだけど音抜けが悪い」とか「がっつり歪まないから使いづらい」みたいにやや下火だった記憶がありますが、最近はこぞってブティックメーカーからクローンが発売されていたり、Ibanezがヴィンテージと同じ筐体で復刻させたりと再び流行の兆しがみえます。

近年シンプルなヴィンテージ系+αが人気というのはギターもベースと同じで、個性的なペダル一個でがっつり音作りというよりは、ナチュラルにアンプをプッシュできる歪みペダルが再興しています。ミドルが厚くなるブースター系ペダルやトランスペアレント系の流行というのはそういった流れの傍流でもあったんですね。


さて話を戻すと、このPure Sky Overdriveは前述のTimmy Overdriveのクローンであるらしく、コントロールもGainとVolumeに加えてBASSとTREBLEの2バンドEQ付きというのは全く同じです。世間のトランスペアレント系ODはほぼ全てこのようなコントロール構成になっています。

相違がある部分としてはオリジナルのTimmyはクリッピングダイオードを対称/非対称と切り替えできるスイッチが付いていますが、このPure Sky Overdriveでは省略されています。

再び回路的な視点で見てみると、2バンドEQというのはEQと謳ってはいますがいわゆるBAX型EQやトーンスタック的なイコライザーではなく、RCフィルタによるハイカットと、増幅回路のRs抵抗を可変させるCRフィルタというのが実態です。しかしこれが良くできており、ゲインアップによる音色の変化に対して絶妙な音色の調整ができるようになっています。(後述)

(ちなみにVEMURAMのJan RayもTimmyの回路をコピーして作られたペダルなので実質安く買えるJan Rayとも言えそうです)




音に関して。

音色はまさに質の良い自然なオーバードライブという感じで、ストラトキャスターとの組み合わせだと音の粒立ちがハッキリしていて、またピッキングの追従性も高いです。市販のペダルでも例えばBOSSのOD系なんかだとローゲインだとぬるっとした膜一枚かぶったような反応になるんですが、そういうのは全くなく非常に素直です。

ゲインフルアップだと結構歪みますが、本来そういう使い方ではないと思うので個人的には10〜12時前後が良いのかなと思いました。EQはTREBLEが12時、BASSが音がコモらないようにPUポジションによって10〜13時に調整するようなセッティング。

ハイカットのみのトーンではなく2バンドEQになっていることで、使うギターやPUの特性によって微調整できるのがいいですね。BASSで音の太さや不要なロー成分コントロールできます。

ゲインというかヘッドルームが広く、最大出力自体はかなりあるので、単体のオーバードライブとしてだけではなく後段のアンプorエフェクターのクリーンブースター的な役割でも使えると思います。

強いて悪いところを上げるならs/nはゲインを上げるとやや悪いということくらい。

結果的に¥3,000で買えるエフェクターとしては十分すぎるもので、正直最近の中華クオリティはすごいなと思いました。お金のない人には特にお薦めできます。遊びで買ってみたら普通にメインで使えるという人もいるんじゃないかと。

Calineは他にベース用D.Iやデジタルリバーブも出しているそうなのでそっちも買ってみる予定です。


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