2022年1月31日月曜日

Fireface UCXIIの導入



RMEのFireface UCX II (UCX2)を結構前に導入しました。

説明するまでもないと思いますが、RMEの最新USBオーディオIFです。

USBの多入出力モデルとしては同じFirefaceシリーズのUFX IIがフラッグシップですがBabyfaceProFSと同様、SteadyClockFSが導入され、DACチップだけではなくクロックの安定化とジッター抑制もアップデートされている…という部分がウリの新製品です。



今まで使っていたオーディオIFは同じRMEのFirefaceUCです。

UCXじゃない、普通のUC。なので世代的には2世代ほどバージョンアップしたことになる。

RMEのオーディオIFの特徴なんですが御存知の通り非常に安定していてなおかつ堅牢です。毎年新製品出しては旧製品を一瞬でディスコン&サポート切るようなデベロッパーとは違い、FF400やFF800のようなレガシー製品のドライバもいまだに供給し続けているくらいですしね。安く良いものが沢山ある時代ですが未だに安心感は高いと思います。

ぶっちゃけ今までのUCで機能的な不満はありませんでした。仕事道具としては何も問題なかった訳です。ただ良くも悪くもRMEなので30万円以上のハイエンドDACなんかと比べると全体的に透明感はあるものの素っ気ない音で色気がなくつまらない音でした。7,8年使ったしそろそろ新しい機材で進化した環境にしたいという思いもありました。


買い替えのきっかけとしては知り合いの数人が比較的新しくSteadyClockFSを搭載したBabyfaceProFSを購入していて、その音を聴かせてもらったところかなりサウンドのグレードが上がっていたと感じたことです。

新世代DACチップの性能が上がったのが、SteadyClockFSの恩恵なのかは分かりませんが明らかに出音はモニターライクの冷たい音から、透明感がありつつも柔らかな繊細な表現が加わった音になっていました。

BabyfaceProはいわゆるデスクトップ型のオーディオIFで入出力も限られたモデルなのですぐに買い換えるという選択肢はなかったものの、多入出力の新モデルが出たら買い替えたいなと思っていました。そして、今回のUCXIIが発表されたことで去年の6月にすぐに予約。発売は8月でしたが、コロナショックと半導体不足の影響で結局納品されたのは10月末になってしまったんですが…。



UCとUCXII


その後しばらく経って、ある程度使い込めたのでざっくりとしたインプレッション。

まずD/A(再生)に関する音質は基本的にBabyfaceProFSで感じた印象とほぼ同じ。UCではやや硬質でソリッドに感じられた部分が無くなり、クリアーでありながら中域のふくよかさと奥行きが感じられるようになりました。いままでよりもより深く、長くリバーブテールが聴こえる。音の質感が全体的により繊細になっている。

A/D(録音)に関しても概ね同様で、クリアーだけど線が細いといった過去の印象を払拭しつつあるなと感じました。RecでうちのNeveが調子悪いときにマイクプリもちょっと試しましたが、明瞭でありつつ質量感があってバランスの良いプリアンプだと思いました。(これでマイクの入力Zを変えられるコントロールさえあれば完璧)

RMEは旭化成のAKシリーズのDACチップを採用していますが、どちらかというとESS系のニュアンスに近づいているような印象。

今までのRMEとガラっと変わったという訳ではなく、飽くまでも基調はRMEの音色でより洗練されたサウンドになったというのが正しい評価かなと。

あと筐体やコントロール系のリニューアルで、電源のオン/オフを表のロータリーエンコーダで行うことができるようになったのが地味にうれしい。今までは背面のトグルスイッチに手を回さないと電源を落とせなかったので。ほぼ毎日触れるからスイッチの耐久性も心配でしたし。しかも立ち上げの際は一瞬ミュートされるようで、起動時のショックノイズが出なくなった事により、パワーアンプを立ち上げている状態でそのままIFの再起動もできるようになった。


総括すると、FS導入前のRME各種を使用している人は買い換える価値が十分にあるといえるし、音質や入出力数がこのクラスで価格が10万円台なのを考えると、コストパフォーマンスも良く、ハイエンドDACとの価格差を感じないくらいの性能はあるオーディオIFだと思います。前述の通り、RME製品は非常に堅牢でサポートが厚いので5年以上は確実に使えますから。(でもいまは全然在庫ないらしい…)

ちなみに電源は付属品のDC12Vスイッチングをそのまま使っています。これものちほど、リニア電源や他のアダプタなどに交換して音が変わるか実験していきたいと思います。

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