2026年9月19日土曜日

プライベート・スタジオ乱立時代の所感



忘備録というか雑感。

プライベート・スタジオってめちゃくちゃ増えたじゃないですか。

長引く不況とインフレもあって都内にある大型のレコーディング・スタジオがどんどん潰れていくなか、個人レベルのプライベートスタジオって、2010年頃と比べて数が3倍くらいになった印象があります。(数は感覚なので根拠なし)



で、最近増えているプライベートスタジオっていうのは売れっ子ミュージシャンとか作家がバリバリ仕事用に毎日駆動する専用設計のスタジオではなく、どちらかというとマンションの一室に防音などを施してレコーディング・ブースのように使うものがメインになっていると思います。

僕が宅録を始めたときはまだPCIe接続のサウンドカードやDSPがスタジオに必須で、プロとアマチュアの環境差が縮まりつつあるとはいえども、スタジオで使うような機材を持っているのは本当にごく一部の人だけでした。なので機材といっても、Macとdegidesign製インターフェースと安いコンデンサ・マイク程度という人が殆どだったんですね(00年代後半のサンレコとか見てください)


個人が賃貸マンションの一室で〜と書くと割と15年くらい前と比べて大差ないように思えますが、近年はみんなかなり環境面に投資しているように感じます。そこが大きく変化した部分。

機材面では、最近はもうネイティブでアナログ機材の銘器の大半はエミュレーションされていますし、アマチュアでもアナログアウトボードや高級真空管マイクを個人で所有していることもかなり多くなりました。

空間面ではメーカー製防音室の個人導入もコロナ禍以降に急激に加速した印象がありますし、本格的な部屋自体の防音室工事や、事務所用のテナントを借りてプロ顔負けの施工をしている人達も多く居ます。

マンションの一室=チープ、アマチュアっぽいという概念はもうなくなりつつあります。


ただこれには負の面もあって、自宅の一室にスタジオ部屋を作るのはともかく、レコーディングやミックス作業のために首都圏で物件を借りるのはかなりコストが掛かります。家賃だけではなく、前述の通りハイクオリティを目指すために録音機材などの投資や防音への費用もあるでしょう。

そうなると、必然的に自分が使用する以外の時間を貸して固定費や初期投資を軽減する運用になる場合が多い。

つまり、ハイクオリティなスタジオ環境を個人で手に入れるためにプライベート・スタジオ自体が営利的な側面を持つようになったんですね。

僕のスタジオは家にあってもともと人に貸すのは極稀で基本的に自分の作業をするための空間だったので本来のプライベート・スタジオでしたが、最近は本格的なシステムを入れるために時間貸しをする前提で作れらたスタジオが多いように感じます。◯◯レコーディング、とかでちょっとネットで検索するといっぱい出てくる。

最初の『プライベート・スタジオ多くない??』っていうのはそういう話です。

というか、いまはそれによる【歌だけ録れるハイクオリティ・スタジオ】が増えすぎていて、すごい価格競争になっています。『貸して元を取ろう』と思っている人も最近になって計画が狂った人も多そうだなあ……と思っています。

もう【狭いけど、音だけはプロレベル】という売り文句も既にレッドオーシャンになっている訳で、そうなるとプロ環境とアマ環境の違いの差というのはもう部屋自体の広さとか音量がいくらでも出せるとか、物件や不動産自体のことになってくるんじゃないかな。ハイクオリティな機材も最早いらないのかもしれない。


そんなことを思う日々でした。

僕のスタジオは役目を終え、DIYのためのアトリエに変遷しています!それについてはまた今度書くとしましょう。

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