オーバースタンドとは、ボディからネックが突き出している長さ(高さ)のこと。
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| ※ネックジョイントの指板下から表板までの距離 |
ヴァイオリンやコントラバスでネックリセットというリペアがありますが、その作業の意味としてはネックの再接着や角度自体を修正する、という内容だけだと思っていました。
実際はネックの突き出し長さも変更することで、ハイポジションの演奏性や、駒に掛かる弦の圧力をコントロールする、という意味合いもあり、非常に重要な調整であることを最近知りました。
その楽器の駒の適正な高さがあるとして、オーバースタンドが低い場合は駒に対してネック角度が深くなります。逆にオーバースタンドを高く(大きく)した場合、同じ駒の高さでもネック角度は浅くなり、駒に掛かる弦の圧力は小さくなります。
いわゆるオールドと呼ばれる時代の楽器(19世紀くらいまで)はこのオーバースタンドが非常に低く、10mmから10数mmくらいだったそうです。これはテンションの低いガット弦を使用していたことと、ハイポジションの優先度がまだ低かったので、ネックと指板がボディに密着気味で作られるのが普通でした。オーバースタンドを高くするメリットは、ハイポジションの演奏性が上がることです。オーバースタンドが低い楽器は肩の形状(アッパーバウツ)の影響を受けやすく、なで肩ではない楽器だとハイポジションを弾く時に腕が肩に当たります。オーバースタンドを大きく取ることでこれを回避できます。
また適正なネック角度に修正することで駒に掛かる圧力を低減でき、表板の振動を適正化することができます。スチール弦では古典的なガット弦と比べて駒に掛かる圧力が高く、元々ガット弦用として作られているオールド楽器では過剰な力が表板に掛かり変形や割れを誘発する可能性があるので、それを予防できます。
もちろん製作家の流派によってある程度ばらつきはありますが、よりモダンな製作家は更にネックを高くして、40mm以上に設定する場合も多いようです。ハイポジションを多用するソリスト用の楽器などはオーバースタンドも高い傾向にあり、また巨大なフルサイズ5弦楽器となると演奏性を確保するために50mmになる場合もあります。

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