2021年7月2日金曜日

格安!モニタースピーカースタンドの製作

自分は以前からMarkAudioのAlpair10搭載スピーカーをモニターとして使っていますが、スペースの都合上机の上に置いていました。

ただ以前から卓上設置による共振や低域の聴き取り難さが気になっていたのと、卓上スタンドによる嵩上げでユニットと耳の高さが適切な位置関係になっていなかったので、いずれはスピーカースタンドを導入したいと思っていました。

なので今回はスピーカースタンド導入編です。




実際モニタースピーカー用のスタンドのチョイスというのは難しいと思います。

というのも、一般的な民生用のスピーカースタンドは高さが60cm前後のものがほとんどです。これはチェアではなくソファなどに腰掛けた位置で、離れて聴くことを想定しているからですね。

しかし制作用のモニタースピーカーとなるとスピーカーから比較的近い距離で、デスクの前のチェアに腰掛けた位置で音を聴くのでリスニングポイントは民生用スピーカーと比べて20cm以上は高い位置になります。となると、民生用のスピーカースタンドを流用しようとすると高さが全然足らないんですね。

いわゆる80〜90cmの高さをもったプロ用のスタンドというのもいくつか発売されていますが、数が全然少なく、価格も高い。小規模スタジオでよく導入されているREQSTのRKSTシリーズには高さが60〜110cmと高さが数種類のラインナップがありますが、問題は天板のサイズが小さいこと。Alpair10のエンクロージャーは奥行きが27cmはあるので、天板の奥行きは30cmは欲しいのですが正直言ってこの条件に見合うスタンドがまったくない!


うちのスピーカーに必要な条件

・スタンド天面は25*30cmくらいの広さ
・高さが80cmくらい
・高価ではないこと


うーん、探してみたけどたぶん世間に存在しないですねこれ。


となると作るしかないですね。
しかも、できるだけ安く。

そもそもスピーカースタンド、凝ったものでなければ天板2枚を支柱で繋いだものです。工作難易度が高いはずがないです。アンプ作るよりはきっと楽でしょう。


そんな訳でホームセンターを徘徊しながら少し思案してみました。

まず、支柱の材料はホワイトウッドの角材がそのまま使えそうです。ホームセンターには950mm角までの角材があることを確認できました。垂直に負荷がかかるぶんには強度も十分ですし、支柱が木材なのでアルミなどとは違って変な共振とか生鳴りがなさそう。

そして天板はSPFや色々な材がありますが、平面が最初からしっかり出ていてサイズが豊富で、加工がしやすいという点でパイン集成材がいいんじゃないかと思いました。強度的には厚みが20mm近いので問題ないと思います。値段も安い。

となると必要なパーツは

・天板 ラジアルパイン集成材 25*30cm 2枚
・底板 ラジアルパイン集成材 30*30cm 2枚
・支柱 角ホワイトウッド75mm 長さ80cm 2本
・木ネジ16本(各4点止め)


材料費おおよそ¥6,500!

天板と底板に関しては300*1200mmの集成材を買って4つにカットすれば、材料は一枚で済みますね。

算段ができたところで、さっそく狛江のユニディで材料を購入。会計後、そのままカード会員特典の無料カットサービスで材料カットをしてもらいました。さら商品を税抜き1万円以上購入すれば家まで配達もやってくれます。ユニディ最高ですね。

※注意 角材に関してはホームセンター備え付けの機材の関係でカットできる厚みに制約があります。厚みが75mm以上の材はカットできない場合があるので事前に確認しましょう。





翌日家に材料が届きました。

材料はすでにカット済みなので木ネジ穴を決めるケガキして、穴空けするだけです。

ビスの頭が板から出ると平面にならないので10mmのドリルで先に凹を作っておきます。

カットは済んでますから、加工と組み立ては2時間も掛からない感じですね。





1本組み上がったら、とりあえず実際にスピーカーを乗せてみて問題がないかチェック。底板が30cm四方あるので、余程横方向に揺らすようなことがなければスタンドが倒れるっていうこともなさそうですね。心配なら下側になんか重しでも乗っけとけばいいと思います。





無塗装のまま使うと材の膨張や収縮が起きやすいので、軽く塗装します。先日キッチンに棚を作ったときに使ったワトコオイルが余っていたので、それで全体を塗装しました。

塗装が乾いたのを確認後、再設置。問題なさそうですね。


【数日聴いてみての感想】


まず今まで近すぎたスピーカーとの距離が適切な距離になり、特に低域が聴き取りやすくなりました。Alpair10はフルレンジスピーカーなので耳が軸上に来なくても大きな音質差はなかったものの、やはり真正面でユニットも耳にジャストの高さとなると印象もだいぶ変わってきます。

今までは御影石や共振抑制ゴムなどを駆使していたものの、やはり机に卓上スタンドというセッティングだったので机全体が共振して低い帯域はボケがちになっていたんですが、それもなくなりクリアーになりました。上記の適度な距離も合わさって低音が真っ直ぐ飛んでくる感じ…。

なお、設置バランスや音質を見直した結果、スピーカーの下にあった御影石は無くしてスピーカーとスタンドの間にオーディオテクニカのインシュレーターを置くだけというシンプルなセッティングになりました。スピーカー自体が大型で重量があるのと、木製スタンドで金属とは違い、適度な内部損失があるので変な共振は起きていません。(むしろ音を締めるために固いインシュレーターを使うというのはアリかも)


統括すると自作スタンド、良好です。今のところまったく困っていませんし、自作できるならはやく作っとけばよかったなと思いました。結果安いしね。

自分のようにデカめのスピーカーを使っていて、適切な高さや大きさの商品がない人は自作してみるのもいいんじゃないでしょうか。

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