2013年7月24日水曜日

ステレオディレイを使って奥行きのあるフレーズを作る

春のM3終わってめっきりエントリーも途絶えていたので、
たまには音楽に関わる話とかtipsみたいなのも不定期で書いていきたいと思います。

今回はステレオディレイを使った音作りについて。
というか、ディレイを使ったサウンドメイクの応用について。

まず、ディレイを掛ける前の音源を聴いてみましょう。
(Laqsheの“電子の夢”の一部からサンプルを抜粋)

http://www.laqshe.net/sounds/sinewave01.mp3

サイン波で作ったなんの変哲もない4分音符のフレーズです。
このままだと単調すぎるので、ステレオディレイを使って広がりを出します。


今回使うプラグインは、
Logic9付属のStereo Dealay、
WavesのS1 Stereo Imager、
Universal Audio UAD-2 Urei 1176LNの3つ。

まず初段でステレオディレイを掛けますが、このときはディレイタイムに気を配ります。
文字通りステレオディレイは左右で違うディレイタイムを指定できるので、この場合だと左に2分音符、右に付点8分のグルーブでディレイを掛けます。

このとき、指定したいディレイタイムよりも少しにずらしたほうが響きが効果的に出るので前後にずらします。(Grooveが50%でジャスト、75%で付点のタイミングなのでそれから1-3%ずらす)

フィードバックが繰り返す際に正確に音符が重なるのを防ぐ意味もあります。
今回の音源だと元のフレーズが4分音符なので細かく音がレイヤーするように設定します。
(フレーズが細かいと16分のタイミングで音符が重なってしまうので)
フィードバックは30%〜50%ぐらいの設定で。

それで先ほどのサイン波にステレオディレイだけ掛けたのがこちら。

http://www.laqshe.net/sounds/sinewave02.mp3

左右に広がりが出て、一気に奥行きのあるフレーズになりました。
しかしこの状態だとまだ左右のディレイが分離がよすぎて良い子すぎるので、左右のフィードバックを混ぜます。

このLogicのStereoDealayはプラグイン本体で左右のフィードバックをクロスさせることができるので(真ん中のパラメータ)20%ほど混ぜて中央に音が“溜まる”ようにしています。

そしてそれを際立たせる為に、Waves S1を使って定位を左右に広げます。(要はm/sのs成分を増やす)最終段で1176LNをアタックリリース早めで掛けて歪みっぽくし、音程感も出します。

そういったプロセスをしたのがこちら。

http://www.laqshe.net/sounds/sinewave03.mp3

微妙に音が混ざり合ってちょっぴりサイケ&複数のグルーブが重なった感じになったのがお分かり頂けましたでしょうか。

とまあ、こんな感じに単調なサイン波のフレーズに奥行きが出ました。
フレーズというよりも音作りとしてディレイを応用して色々なことができるので、少し視点を変えて研究してみるのもいいかもしれません。この後に更にフィードバックにモジュレーションを掛けて揺らすのもありです。

ではでは今日はこんなところで。

0 件のコメント:

コメントを投稿