特に音質的な不満はないけれど、飽くまでもMarkAudioのフルレンジユニットに合わせて作ったアンプだったので、普通にほかのスピーカーでも使える電圧帰還アンプも製作したくなってきた。そんな訳でまた新しく作るアンプの構想を練ってみる。
まず前提条件として、
・増幅素子の数が多すぎないこと
・なるべく回路がシンプルなこと
・+-24Vの正負電源だけで駆動できること
というのがあるので、あまり複雑なものは追求しない。
電流帰還アンプの製作後ぱっと頭に浮かんだのが、窪田式アンプなどで採用されている上下対象の差動アンプだ。
窪田式オールFETアンプの例 |
上下のプッシュプル動作が完全対称になるメリットがある。回路もシンメトリーで美しい。
ただし、この回路と同じように初段をFETを使おうと思うと、プラス側とマイナス側で動作が同じNチャネルとPチャネルの素子がそれぞれ必要になる。現行の高gmタイプのJ-FETに、コンプリメンタリー・ペアがあるものはないし、かといってオリジナルに採用されていた2SK389/2SJ109は古い石で入手性も悪い。今再現しようと思うと、その敷居は高い!
Soulnoteのアンプ初段回路の例 |
ちなみに最近だとソウルノートのプリメインアンプが上下対象の回路を採用している。こちらの入力はバイポーラTrなので、定電流回路は別途必要になるが、今でもコンプリメンタリーペアが確保できる。(無帰還に比重をおいた設計なので若干コンセプトが異なるが…)
やはりDCアンプにしたいという気持ちが強かったので初段の素子はDC漏れのあるバイポーラよりFETを採用したい。なので色々悩んだところ、手持ちの2SK170/2SJ74を選別して使うことにした。苦肉の策である。
実際にCADを立ち上げて、回路を書くことにした。
(つづく)
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