2025年8月21日木曜日

Tiny Flowerの再塗装とV4へのアップデート

2025年初頭のすがた

2020年に製作し、その後ライブとセッションでメイン楽器として使い続けてきたTinyFlower5ですが、今に至るまで数回のアップデートを繰り返してきました。

詳細は楽器のページで解説していますが、2025年現在はネック交換及び指板延長とピックアップの変更を含む大幅な改造を行い、製造当初の姿とは大きく異なっています。

去年から自身主催のライブをはじめ、ステージに上がる機会を増えつつ有り、それに伴って自分のスタイルも少しずつ変化しており、より演奏性を高めたいと感じていました。

ついでに5年間でだいぶ傷んできている塗装をやり直そうと考えていました。いわゆるリフィニッシュですね。

塗装をやり直すということはまず現在の塗装を一度剥がすということでして……木地の状態に戻すならば、躊躇っていたボディのリシェイプも行ってしまおう、ということになりました。

TinyFlowerのバージョン4へのアップデートです。

ユクゾッ...



分解とボディの追加工

まずパーツをすべて外して分解します。

ネックを取り外し、ボディのみにします。

ボディ単独の状態にすると、ボディの重量が尋常じゃなく軽いことを再確認しました。

ボディのコアはワンピースのライトアッシュ材です。この材は元々ライトアッシュとしてもかなり軽い材で、それをさらにホロウ化しているので超軽量に仕上がっています。この点は正直軽くしすぎた、と多少後悔もしているんですが、まあ軽いぶんには運ぶのは楽なので今は気にしていません。(元の総重量は3.2kg)

さておき、再塗装作業に入る前に、気になっていたボディ外周Rの修正を行います。

元々テレキャスター並にボディエッジは角ばっていてエルボーコンターもないので、立奏したときにボディのエッジが腕に当たる感触が少しリラックスしづらいな、と感じていました。そこで、Rをより緩やかにすることを考えていたんですね。

ボディの外周をR付きビットをつけた電動トリマーで削ります。


ベランダは灼熱!!

Rは9.5mmにしました。

感覚的には以前よりだいぶ丸くなって、一般的なFenderタイプに近い印象ですね。削ったところだけ塗装も剥げたのでウッド・バインディングみたいになっている状態。

ちなみにこの作業をしたのは表側だけです。裏はジョイント部分やホロウ部分と干渉する位置関係で据え置きに。


再塗装(リフィニッシュ)

電動工具を使った木工が終わったので塗装を剥がします。

もともと木地着色なので、クリアーのラッカーだけですが、色を落とすにはボディを少し削る必要があります。まず180番のペーパーでざっくり色を落とし、凸凹を作らないように240番や400番を使い分けて、木材に染みた色を落とします。この作業は粉塵が出る関係でベランダでやったんですが、暑くて死にそうになりました。真夏にやる作業じゃないですねこれ。

ひたすらサンディングして色が落ちたら、木地に再着色をします。


寝かせていた塗料が日の目を見ました


5年前に保存していた染料がまだ残っていたので、再利用します。

細かい過程は写真に撮り忘れましたが、まず全体を紫系の染料でうっすらと染めます。この時は多少ムラになってもいいので、飽くまでも全体をざっくりと塗り拡げます。この時点では一度塗りなので、木材が吸う染料の量もまだらで綺麗にはなりません。

そこから紫の染料に青系の染料を少しずつ混ぜ、外周を塗っていきます。ボディの中央部分は最初の色が残るように、外周から青→紫のグラデーションになるように数回塗り重ねます。

重ね塗りのあとに、水やアルコールを使って、刷毛で出来た色の境目を曖昧にします。木地が染料を吸い込んでムラになった部分は筆などを使ってワンポイントで修正しつつ、全体の色を濃くしていきます。

発色が十分だと感じたら、2-3日ほど放置します。水分が抜けて、色が安定するのを確認。

仕上げにクリアーのニトロセルロースラッカーを吹きます。

以前の塗装はクリアーが超極薄で、少しひっかくと木材にキズが入るくらいでしたが、今回はある程度長期的に耐久性を上げたかったので、クリアーを多めに吹きました。600mlくらい。まあそれでも、市販のギターやベースと比べれば相当に塗装は薄いです。

吹きっぱなしに近いツヤですが、かわいあまり磨かずに1500→2000番のスポンジやすりでザラつきを取ります。本気でやるとキリがないのでほどほどに。その後に硬めの布でひたすら擦って自然なツヤ感を出します。


クリアーを一度塗りしたくらいの状態

こんな感じで再塗装完了。

新しい色はIris Regen(菖蒲の雨)と名付けました。

ちなみにボディの裏面と横面は以前の染色のままですが、クリアーを重ねたり、サンディングと着色で継ぎ目をうまく誤魔化したら思ったよりも違和感ないですね。


再組み込みと調整

ネックを再度取り付け、パーツと電気系を再配線します。

今回の作業を通して一点だけ注意していたのは、ブリッジの乗る部分の塗装だけは触らずにそのままにしていたこと。塗装の厚みもしくはサンディングの削りで微妙に弦高が変化したりするのが嫌だったので。


綺麗に生まれ変わりました


弦を張ってセットアップ完了。楽器としてはほぼ以前の状態で復元できました。

ピックアップは前回の改造でAguilarのDCBというハムバッカーに変更していて、単体でのノイズはほぼ皆無なので、ピックアップ下の銅箔シールドは敢えてやっていません。(DCB自体にもシールドが内蔵されている)

ピックガードは気分でとりあえず外したままにしています。

これからもライブでメイン楽器として使っていくと思います。とにかく軽いので!

このVer.4でほぼ完成形だと思っていますが、ピックアップを同サイズのバルトリーニ製に変えてみようかなとか、ブラックナイロン弦を試そうか、など、気軽に試せる部分の調整は続けていくかもしれません。

とりあえずおしまい。

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