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Walter Sandner 1987 |
1987年製。東西統合前の西ドイツ製の楽器です。
ラベルの製作者はWalter Sandner(ヴァルター・ザンドナー)。
いまドイツでヴァイオリンを作っているWalter E. Sandnerとは関係あるのかは分かりません。(子どもか親戚だとは思いますが)
当時はベースとチェロを中心に作っていた製作者みたいです。
ボディの形はいわゆるガンバ型で、ドイツの楽器では割とメジャーな形です。
後ろはラウンドバック。
木材は言うまでもなくオール単板ですが、いわゆるマイスターが作った一点ものの高級品ではなく、ちゃんと作ってある当時の量産品みたいな位置づけの楽器だと思います。同じドイツだとルブナーとか、エマニュエル・ウィルファーとかあのあたりのグレードというイメージですね。
材料も派手なものではないけれど全体的にうっすら虎杢が浮いている感じで、落ち着きのあるしっかりとした材が使われている。現代のドイツ製と比べたらだいぶ良い木が使われている。
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使い込まれたネック・ヒール |
40年近く弾き込まれてきた楽器なので、ニスはところどころ剥げてきていて、美品ではない。傷だらけだ。
この楽器は、お世話になっているアトリエハシモトさんの端っこに置かれていました。
中古ということで価格は今のドイツ製楽器の半分くらいの価格。理由を訊いてみると「それを弾いていた人がもう歳をとって音楽をやめるっていうんで、置物にしておくのも悪いからはやく売りたいんだって」とのこと。
当初はハンガリー製の120万くらいの楽器が最有力候補でした。(もともと弦長が短い楽器を探していて、その楽器は103cmくらいで条件に合っていた)現行のドイツ製やハンガリー、ルーマニア製などの楽器を色々と用意してもらい弾き比べて、その中から選ぼうと思っていました。
だけどこのザンドナーを弾いてみたら、ドシーン!と重たい低音が響いた。全然強く弾いてないのに、軽く指で弾いただけで、重く、大きな音が出る印象。
弦長が長いのか、ネックを押さえる左手が少し疲れて大変だったけれど、この音色が琴線に触れた。
ただその日は決めず、一旦帰って一ヶ月ほど冷静に考えました。
その後、ほかの候補を探すために別の楽器屋などに行ったりもしましたが、あの時弾いたザンドナーの音が忘れられず、寝ている間に夢にも出てきたりしたので、あの楽器を買おう!と決意して春先に買いました。(66年フェンダー買った時と同じだなこれ)
弦長短い楽器を探しに行ったのに、なぜか長い楽器が気に入って買ってしまったということ。アホですね。
その後ハシモトさんで軽く調整してもらいました。
ちなみにピックアップ(アンダーウッド)と弓ホルスターは前のオーナーがつけっぱなしの物がありましたが、今は自分のものに交換しています。
弦は購入時、ジャズのど定番トマスティック・スピロコアのライトゲージが張られていましたが、G弦(1弦)の金属的な響きが気になっていたので、ベルカントに変えています。弓(アルコ)も沢山使うし、綺麗な音が出したいので。
レコーディング、ライブ共にこれから活躍してくれることでしょう。
花側のペグ・プレートがキュート。
高価な楽器ではないけれど、自分に“合っている”気がしています。
とりあえず、新しい相棒と共に頑張ります。
次に欲しい機材は運搬用の自家用車かな。
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